オーダースーツを初めて購入しようと考えても選ぶ要素が多く、オーダーするのは難しいかと思います。細かいことは全てプロに任せるのも1つの手です。。しかし満足度の高いものを手に入れるには、少しでも知識を身に着けておくことが必要になります。
今回はオーダースーツ制作に重要な生地について、生地選びの重要性やよく使われる生地の特徴について解説します。生地の知識を身に着けて、満足度の高いスーツ目指しませんか。
目次
オーダースーツは生地選びが重要
素人が仕立ての細部を見極めることは難しいかもしれません。しかし生地選びは比較的勉強しやすい分野です。あらかじめ生地の種類や特徴を把握しておくことで納得度の高いオーダースーツを仕立てることができます。
例えばスーツでは主にウールが使用されますが、伸縮性や耐久性の高いポリエステルを混ぜると動きやすいスーツに仕上がります。この場合、出張用のスーツを制作するときに「ポリエステルを取り入れてもらおう」といった選択ができるようになります。
また、冬用のスーツを作りたい場合は保温性の高さが大切になるため断熱効果がウールより高いカシミヤを使用することで、防寒性に優れたスーツを仕上げることができます。見た目や機能など、総合的に満足できるオーダースーツを手に入れるには生地選びは重要なポイントになります。
オーダースーツで使用される生地の主な原産国
日本で多く流通されている生地はイタリア産やイギリス産などの欧州産が多くみられますが、産地によって生地の特徴は異なります。ここでは、国産生地とインポート生地の特徴ついてご紹介していきます。
国産生地
国産生地は紡績技術が高いこともあり、丈夫さが特徴です。特に毛織物で有名な愛知県の尾州などは、世界三大生地産地の一つとも言われています。ハリコシがあり、耐久性にも優れた生地が多いです。また輸送代金が掛からないため、他の産地より価格を抑えることができます。
インポート生地
イタリア製
イタリア産の生地は艶と柔らかさが特徴です。生地が柔らかいため着ていて馴染みますが、シワになりやすいので注意が必要です。また、日本と比較すると柄が豊富で選択肢が広がります。
イギリス製
イギリスは寒冷な土地柄のため他の産地より厚めな生地が特徴です。耐久性や防寒性が高く、型崩れしにくくなっています。
オーダースーツ生地の素材
オーダースーツに使われる生地について、天然繊維と化学繊維に分けて特徴をご紹介していきます。
天然繊維
素材 | メリット | デメリット | 季節 |
---|---|---|---|
ウール(羊毛) | ・シワになりにくい ・保温性が良い ・伸縮性がある ・弾力性がある ・吸湿性が良い |
・虫が付きやすく縮みやすい。 | 秋冬スーツ |
シルク(絹) | ・保温性が良い ・保湿性がある ・発散性がある |
・シミになりやすい ・水に濡れると縮みやすい ・熱や害虫に弱い |
オールシーズン |
コットン(綿) | ・肌触りが良い ・通気性と吸水性に優れる ・熱に強い |
・縮みやすくシワになりやすい | 春夏スーツ |
リネン(麻) | ・通気性が良い ・吸湿性がいい ・発散性がある |
・シワになりやすく毛羽立ちやすい | 春夏 |
カシミヤ(山羊毛) | ・上品で艶がある ・着心地に優れている。 |
・毛玉が発生しやすい ・耐久性が低い |
秋冬スーツ |
化学繊維
素材 | メリット | デメリット | 季節 |
---|---|---|---|
ポリエステル | ・強度が強くシワになりにくい ・型崩れしにくい ・非常に軽い ・湿気に強い |
・静電気が起きやすい ・通気性が悪い |
オールシーズン |
アクリル | ・柔らかい肌触り ・弾力性がありシワになりにくい ・保温性に優れている |
・吸湿性が悪い ・毛玉ができやすい ・静電気が起きやすい |
秋冬用スーツ |
ナイロン | ・耐久性が高い ・弾力性がありシワになりにくい ・伸縮性がある |
・吸湿性が悪い ・熱に弱い ・静電気を起こしやすい |
オールシーズン |
キュプラ | ・調温機能が高い ・吸湿性が良い ・静電気を起こしにくい |
・毛羽立ちやすい ・水に弱い |
春夏スーツ |
レーヨン | ・肌触りが良い ・消臭効果がある |
・水に濡れると強度が下がる ・シワになりやすい |
オールシーズン |
オーダースーツ生地選びのポイント
生地の特徴には丈夫さや吸湿性、保温性などがありますが、スーツの生地選びでは下記の3つに注目しましょう。
生地の光沢感
光沢のある生地は高級感を演出し、ツヤのある華やかな印象になります。代表的な生地だとシルクなどが該当します。反対に光沢のない生地は落ち着いた印象になります。パッと見たときにどういった印象を与えたいかによって選ぶといいでしょう。
生地の柔軟性と伸縮性
柔軟性と伸縮性は着心地に影響します。柔軟性や伸縮性があれば動きが制限されることはなく、長時間着用することもできます。
ウールやレーヨン、ポリエステルを使用することで柔軟性・伸縮性を取り入れることができます。
柔軟性や伸縮性のない生地は型崩れがしにくく耐久性に優れている反面、動きが制限されるため注意が必要です。
オーダースーツ生地を選ぶ際の注意点
生地を実際に目にするときに注意したい点を解説します。
光の当たり方に注意
生地の見え方は、その場の明るさや光の当たり方によって左右されます。昼間に自然光のもとで見る場合と、夜に照明もとで見る場合とで見え方が異なるため、着用シーンに近い環境で確認することをおすすめします。
色合いが最も自然に見えるのは自然光のある環境です。しかし着用するのが夜間(パーティなど)の場合、自然な色合いを確認してもイメージと違った見え方をしてしまう可能性があります。
生地の織り方
生地の織り方は平織りと綾織りの2種類がありますが、それぞれ適した着用シーズンが異なります。平織りは主に夏に適した織り方、綾織は秋冬に適しています。
平織りは経糸(たていと)と緯糸(よこいと)が交互に折り重なる織り方で、通気性が良くなるため涼しくなります。
綾織は経糸が緯糸の2〜3本上を通過したあと、緯糸の1本分を通過する、という織り方を繰り返すもの。ななめに線が描かれているように見えるのが特徴です。
平織りと比較して密度が高くなるため耐久性や保温性に優れます。そのため秋冬シーズン用のスーツを制作する際は綾織りが採用されます。
オーダースーツは生地にもこだわろう
ウール、シルク、ポリエステルなどの化学繊維、生地の用い方によってスーツの特徴が変わってくる感じはイメージできたでしょうか。
目的や用途、使用頻度によって生地を選ぶことで、自分に合ったスーツを制作することができます。オーダースーツでは生地の素材だけでなくデザインや機能性などを選ぶことができます。
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